弁護士による相続相談【弁護士法人心 岐阜法律事務所】

弁護士による相続相談@岐阜

相続放棄をしたら賃貸物件に住み続けることはできないのですか?

  • 文責:所長 弁護士 古田裕佳
  • 最終更新日:2024年7月19日

1 相続放棄すると賃貸物件に住み続けることはできない場合がある

相続放棄をすると、それまで住んでいた賃貸物件に住み続けることができなくなる場合があります

たとえば、賃貸物件の名義人が亡くなった方(被相続人)の場合、相続放棄をした相続人が当該賃貸物件に住み続けた場合、自分が相続人であることを認めたことに等しく、賃借権を相続したものとして、相続放棄が無効になる場合があります。

そのため、被相続人が契約者の賃貸物件に住んでいる場合、早めに引っ越しを検討する必要があります。

2 相続放棄をしても賃貸物件に住み続けることができる場合

相続放棄をしたとしても賃貸物件に住み続けられる場合として、たとえば、賃貸物件の契約者が被相続人以外の場合、相続放棄をしたとしても、当該賃貸物件から出ていく必要はありません。

また、賃貸人(大家さん)と相続放棄をした人とが、新たに賃貸契約を締結する方法もあります。

もっとも、契約できるかどうかは、賃貸人次第となってしまうため、確実に賃貸物件に住み続けられるかどうかは不明です。

なお、賃貸物件に被相続人の遺品がある場合、遺品を処分すると相続放棄ができなくなる可能性がありますので、賃貸物件に住み続ける場合は注意が必要です。

3 配偶者の特例は使えない

被相続人が賃貸物件の名義人である場合、たとえ配偶者であっても、配偶者短期居住権という権利は認められません。

そのため、配偶者が相続放棄をした場合、早めに賃貸物件から引っ越す必要があります。

この点、被相続人と配偶者が被相続人の持ち家に住んでいた場合は、配偶者が相続放棄をしたとしても、一定期間は住み続ける権利である配偶者短期居住権が認められます。

被相続人や配偶者が居住していたのが賃貸物件か、持ち家かによっても、住み続けることができるかどうかが変わりますので、注意が必要です。

なお、被相続人の持ち家に配偶者以外の相続人が住んでおり、当該相続人が相続放棄をした場合、その相続放棄をした相続人には、配偶者とは異なり、配偶者短期居住権のような権利は認められませんので、相続放棄をした場合は、早めに引っ越した方が良いでしょう。

  • 選ばれる理由へ
  • 業務内容へ

弁護士紹介へ

スタッフ紹介へ